2023年8月13日の礼拝メッセージ

聖書箇所 マタイの福音書 4章12~17節

主題聖句:

闇の中に住んでいた民は 大きな光を見る。

死の陰の地に住んでいた者たちの上に 光が昇る。

      マタイの福音書 4章16節

本日の説教要旨:「闇の中に大きな光が」

 「イエスはヨハネが捕らえられたと聞いて」、自分が立ち上がるべき時が遂に来たことを確信して「ガリラヤに退かれた」。身の安全のために消極的に退かれたのではなく、今後の働きのために「御霊の力を帯びて」(ルカ4:14)積極的に働きの場をガリラヤに移されたのです。「これは、預言者イザヤを通して語られたことが成就するためであった」と著者マタイは理解しました。

 ガリラヤはイスラエルの北端ゆえ、異邦人に侵略され、民族的純潔を失っていったので、生粋のユダヤ人たちは「異邦人のガリラヤ」と呼んで軽蔑していました。そんなガリラヤのことをイザヤは「闇の中に住んでいた民…死の陰の地に住んでいた者たち」と表現しました。目の前の現実は真っ暗闇で、どこを探しても希望の光など見出せない状況にありました。それでもイザヤの目には「大きな光を見る…光が昇る」のが見えていました。それは、「ひとりのみどりごが私たちのために生まれる。ひとりの男の子が私たちに与えられる」(イザヤ書9:6)、やがて約束の救い主が来られることを示されていたからです。そして本書の最後もガリラヤの記述で終わります。大宣教命令に応えた弟子たちによって、ガリラヤから福音が全世界に広がり、ユダヤ人だけでなく異邦人にも救いが及んで行くのです。

 そのために「ヨハネが捕らえられた(直訳「引き渡された」)」ように、主イエスも引き渡されなければなりませんでした、しかも十字架の死に(20:18、Ⅰコリント11:23)。聖書の時代以上に暗黒の現代だからこそ、「すべての人を照らす…まことの光」(ヨハネ1:9)、希望の光なる主イエスを証しする「世の光」(5:14~16)が必要なのです。